申告納税制度
三菱商事が国産豚肉の保護を目的とした差額関税制度に違反していた問題で、米国産豚肉についても輸入価格を高く偽って申告、関税約十億円を免れたと東京税関に指摘されていたことが二十五日、関係者の話で分かった。過少申告加算税と延滞税を含む追徴税額は計約十四億円とみられる。
既に判明しているデンマーク産豚肉を合わせた同社の輸入豚肉をめぐる脱税総額は計約五十二億円、追徴総額は計約六十四億円に上るもようだ。
差額関税制度は国内の畜産農家保護が目的。豚肉の輸入価格が一定価格(一キロ五百二十四円)を下回った場合、国内価格を参考にした基準価格(同約五百四十六円)との差額分を課税する。
関係者によると、三菱商事は二〇〇五年ごろまでの約一年間、米国の食肉加工会社から冷凍豚肉を輸入した際、差額関税を免れるため、輸入価格を実際よりも高く偽って申告していたという。
同社を巡っては、〇五年ごろ、デンマークの食肉加工会社の日本法人など複数の食肉輸入会社を介してデンマーク産豚肉を仕入れた際、価格を実際より高く申告し、関税約四十二億円を免れ、加算税などを含め五十億円を追徴課税されたことが既に判明している。
申告納税制度は申告して終了ではありません、調査を受ける前提での制度です。企業が制度を理解していなかったか、ばれないと考えたか、 前例で免れていたのか、不思議な話です。